必要な知識と技術

必要な知識と技術

現代では、たくさんの電子機器に囲まれて生活をしており、それらのなかではさまざまなプログラムが動いています。IoTシステムは専用のソフトウェアが必要です。IoT装置単体として動作するためのプログラムに加えて、クラウドと連携して動作するプログラムが必要です。また、クラウドにもIoT装置と通信して収集した情報を蓄積し、解析するプログラムが必要です。このようにIoTシステムではさまざまなプログラムが必要になり、求められるスキルも多岐にわたります。

組み込み系のスキル

組み込み系のスキル

昔は、組み込み系エンジニアといえば、非力なリソースを使っていたため、いかに少ない容量で効率的に動作するプログラムを作れるかが大切でした。そのため、さまざまなデバイスに精通し、CPUの命令をマシン語で書けるくらいの高いスキルと経験が要求されていました。しかし最近のIoTに使用するデバイスは、高性能なCPUや十分なリソースを搭載していますので、シビアなプログラムは要求されません。デバイスの知識があれば、プログラミングは触り程度でも問題ないでしょう。

ネットワークのスキル

IoT装置は、装置同士が通信したりクラウドのサーバと通信したりすることがマストです。そのため、ネットワークのスキルは必須だと思ったほうがいいでしょう。ネットワークのスキルといっても通信に必要なプロトコルはライブラリになっているので、ゼロからプログラミングできなくても問題ありません。むしろ、IoT装置は、ネットワークをどのように安定して使用するか、不具合があったときにどのように対応するかといったインフラ系のスキルのほうが重要です。

アプリケーションのスキル

IoTエンジニアにはネットワーク系のスキルが必須だと書きましたが、IoT装置だけ対応できればよいというわけではありません。クラウドからIoT装置を操作するには、サーバにIoT装置に接続するための仕組みを組み込む必要があります。これには、インターネット側からIoT装置を操作するためのアプリケーションのスキルが必要になります。また、クラウド上で各種サービスを活用しながらIoTシステムを構築するためには、インフラエンジニアのスキルも必要になるでしょう。

情報を解析するスキル

IoTシステムで収集したデータを解析するには、人の手では不可能です。ビッグデータの解析はクラウドで集めた後、人工知能を使って解析するのが通常です。そのため、IoTエンジニアも人工知能のシステムに携わることも少なくありません。人工知能を使ったシステムは専門のエンジニアが担当するでしょうが、IoTエンジニアも一緒に連携しながらシステム全体の構築に寄与しなければなりません。

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    IoTエンジニアがおさえておくべき開発言語は、当然ながらIoTに適したプログラミング言語となります。IoTに適した開発言語として代表的なものがPython、Java、C言語、R言語です。Pythonは汎用性が高く比較的わかりやすい言語で、AIや機械学習とも相性がよい言語です。IoTエンジニアとしてもPythonが使えると重宝されます。JavaはAndroidアプリ開発などさまざまな分野で使われ常に人気上位の言語です。

  • IoT開発のフロー

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    IoTシステム開発も要件定義から始まります。要件定義の段階でIoTシステムに盛り込まれる機能や性能、予算などのリソース、開発期間などが決められます。発注者と開発者の認識合わせでもあり、要件定義はとても重要です。要件定義が固まれば次は設計です。システムの大枠を決める外部設計からより具体的に落とし込む内部設計へと進みます。設計をもとにプログラミングをしてシステム構築をし、単体・結合・総合・運用の各テストを経てリリースです。

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    IoT技術によってモノがインターネットにつながることで、さまざまなことが実現できるようになります。たとえば、遠く離れたところから家電を操作できるようになります。外出先からスマートフォンで自宅のエアコンを操作できたら便利ですよね。いわゆるスマート家電です。また、モノ同士がセンサーにつながってさまざまなデータを取得する技術を利用した代表例が自動車の自動運転です。車につけたセンサーがさまざまなデータと連携することで運転を制御します。