開発に必要なデバイスや環境
IoTシステムの開発には、専用のデバイスや環境を準備しなければなりません。代表的なものとして、センサー、ゲートウェイ、IoTシステムのインフラ環境があげられます。それぞれについてご紹介します。
センサー
IoTシステムに欠かせないのがセンサーで、デバイスの周辺情報を収集するために必要不可欠です。センサーが集めるデータとしては、位置情報、周囲の状態、温度、湿度、モノの傾き、モノの加速度、デバイス本体の状態などです。工場の生産ラインにある精密機器や、日常的に利用される家庭にある家電、建物の窓やドアなどにセンサーを搭載して、このような情報を収集することで、データを可視化したり、遠隔操作したりできるようになります。
ゲートウェイ
IoTゲートウェイは、IoTシステムのなかでも重要な存在です。センサーをつけたIoTデバイスは、それぞれがインターネットにつながっていることで、データを可視化したり遠隔操作したりできるようになります。しかし、たくさんのIoTデバイスをすべてインターネットに直接接続するのは避けるべきです。なぜなら、セキュリティの問題があるからです。IoTデバイスを直接インターネットにつないでしまうと不正アクセスを受ける可能性があります。そこで、IoTゲートウェイを経由してIoTデバイスをインターネットにつなぐことでこうしたリスクを回避することができます。
また、処理速度の面でもIoTゲートウェイは有効です。IoTデバイスが収集した膨大なデータをクラウドなどのバックグラウンドで処理してしまうと、データ通信量が肥大化したり、応答待ちが発生したりするなどして、処理のレスポンスが遅くなってしまいます。そのようなことが発生しないように、IoTデバイスに近い位置にあるIoTゲートウェイでデータ処理をすることでリアルタイム処理が可能になります。IoTゲートウェイは、リアルタイム性が要求されるシステムや、セキュリティに配慮しなければならない場合には、必要不可欠な装置といえるでしょう。
インフラ環境
IoTデバイスが収集したデータを分析したり、可視化するには、膨大なデータを制御したり、分析するためのバックグラウンド処理が必要になります。こうしたIoTデバイスを制御するためのインフラ環境は、オリジナルで開発することもできますし、AmazonやMicrosoftが提供しているIoTソリューションやクラウドサービスを利用する方法もあります。IoTシステムは、IoTデバイスの数やシステム全体の規模が大きくなるほど、比例して大規模なインフラ環境が必要になってきます。